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日常の生活や出来事から得られる、いま、この時代でしか得られない感覚や発想。それら「社会を切り取る視点」を、研究開発グループのメンバーのインタビューから見つけるコンテンツ、Nowism(ナウイズム)。
今回のメンバーは2019年に入社し、重機のHMI(ヒューマンマシンインターフェース)デザインを中心に担当している菊地絢子さん。リモートワークが始まってからは、6帖ワンルームの自宅で巨大重機と向き合っています。もともと車が好きだったところ、重機に携わるようになって興味が倍増、いつか実際に操縦して、自分の腕の延長線上に機械がある、身体拡張されるような感覚を味わってみたいとのことです。(2020年秋収録)
画像1: バーチャル旅行と激辛料理――リモートライフで刺激を求めて │ Nowism 社会を切り取る視点の蓄積

菊地 絢子
研究開発グループ 東京社会イノベーション協創センタ
プロダクトデザイン部 企画員(Associate Designer)

2019年入社。重機のHMIデザインを中心に担当。埼玉県出身で、現在は社宅に一人暮らし中。

―― リモートワークが主となった現在、ワンルームの社宅で仕事もプライベートも完結してしまう日々。趣味の旅行もできなくなるなかで、オンライン上で旅行気分を味わえるゲームがあるのだそう。

菊地:
今、ほとんど家で仕事をしているんですが、部屋のなかにいると、季節ごとの温度の変化もあんまり感じられなくて。もともと旅行がすごく好きで、海外も国内もいろいろなところに行っていたんです。だから、コロナ禍で旅行に行けなくなったショックが結構大きくて。

そこで、直接旅行できない代わりに、最近はオンラインで旅行感覚を味わっています。一つ目は、地図アプリをベースにした位置当てゲームです。そこにある看板や、そこにいる人の服装や街の風景を見ながら、地図の情報と照らし合わせて、今いる場所をどんどん当てていきます。私はもともと旅行先でも、目的地ではない、ちょっと裏の道に入ってみたり、路地裏を歩くのが好きで。バーチャルでもそういう気分が味わえるところが、自分のなかでツボなんです。観光地に行くというより、その街で迷子になってみたいというような気持ちを満たしてくれます。

もう一つは、ヨーロッパを舞台にドライブするゲームなんですが、これを頻繁にプレイするようになりました。ゲームの中で、ものを輸送しながら、ドライブをして景色を見ることができるのですが、これが結構いろんな街の特徴をきちんと再現していて。たとえばスイスのほうに行くとちゃんとアルプスとかが見えたり、実在する建物があったり。すごく再現度が高いので、景色を楽しみながらオンラインでドライブをしています。

cap: スコットランド北西部にあるスカイ島(Isle of Skye)。「視界に入る人工物は1本の道路だけ、というような場所で、壮大な自然を感じました」(菊地さん)

―― オンラインでバーチャルの趣味を楽しむ一方で、五感が鈍ってきていると感じたという菊地さん。現実の刺激を求めるなかで、彼女に起きた驚くべき変化とは?

菊地:
オンラインでの楽しみが増えたこととも繋がるのですが、あらゆる情報がディスプレイから届いて、スピーカー経由で音が聞こえるという環境が、自分の日常生活の大半を占めるようになって。景色も生活音も家にいると毎日同じなので、いろいろな神経がスリープモードになっているというか、感覚が鈍ってきているなと感じるようになりました。

そこで、できるだけ指先を使ったり、自分に刺激を与えたりして、五感が鈍らないように、いろいろなことに挑戦しています。在宅勤務になってから一番変わったのが、辛いものが食べられるようになったことです。もともと辛いものは食べられなかったんですけど、なぜか辛いものを食べたい欲求がすごく高まって。食べていったら、激辛まで食べられるようになっちゃったんです。それから、ホラー映画も観られるようになって、たくさん観るようになりました。

ちょっと極端かもしれませんが(笑)、今、そういう刺激的なものを欲しているところがあるのかもしれません。文字も書かなくなってきたので、意識的に書こうと思って、友達と文通したりもしています。改めて自分の手を動かすと楽しいですよ。あと、小学校の時にマーチングをやっていたところから、入社したタイミングでまたやってみようと思って、ドラムのレッスンを続けているんです。まだバンドを組んだことはないので、もしセッションができる方がいたら、いつかやってみたいと思っています。

編集後記

入社2年目で在宅勤務が主になってしまった菊地さん。しかし、今の状況に正面から向き合って、自分の感覚の変化にも気づき、もっと良くするにはどうするかを自分で考えて、できることから行動に移しているということが伝わってきました。バーチャルトラベルから辛いものまで、室内であっても持ち前のバイタリティを発揮するそのスタイルは、逞しくて素敵ですね。

コメントピックアップ

画像2: バーチャル旅行と激辛料理――リモートライフで刺激を求めて │ Nowism 社会を切り取る視点の蓄積

私も業務で200t級の重機に乗る幸運に恵まれましたが、操作感が想像以上に軽くて、バケットをガン!!と地球に突き立てた反動で車体が浮き上がる恐怖を味わいました。

画像3: バーチャル旅行と激辛料理――リモートライフで刺激を求めて │ Nowism 社会を切り取る視点の蓄積

位置を当てるゲームをやってみたんですが、どこだか分からない外国の街角やら荒野やらにいきなり飛ばされて、途方に暮れながら探索する感じがめちゃくちゃ面白かったです。やり込んでくると、そのうち各国の交通標識とか文字とかも憶えられそうですね。

画像4: バーチャル旅行と激辛料理――リモートライフで刺激を求めて │ Nowism 社会を切り取る視点の蓄積

地図アプリが普及したことで、北京の胡同に迷い込んで脱出するのに苦労したり、ドイツの街角で地図を広げていたら親切な老婦人が話しかけてくれたり……といったこれまでの旅の楽しみがなくなるのかも と思っていたのだけど、一巡して新たな楽しみを提供してくれているんですね。

Nowism 社会を切り取る視点の蓄積

日常の生活や出来事をとおして、いま、この時代でしか得られない感覚や発想に迫る、研究開発グループのメンバーインタビュー

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