新しい暮らしのあり方として注目を集めている「多拠点居住」をテーマに、1990年半ば~2010年代に生まれたZ世代の若者と語り合う「定住に捉われないライフスタイルの台頭ワークショップ」が開催されました。彼らは今、「居住」に何を求めているのでしょうか?Vol.1では、ワークショップ開催の経緯と共に、当日の様子をお届けします。

[Vol.1]Z世代と考える、15年後の暮らし方
[Vol.2]移住から始まる小さな社会変革
[Vol.3]変化を前提に、多様な自分になる

画像: ワークショップは、株式会社dotの「Z世代会議」プログラムに沿って進められた

ワークショップは、株式会社dotの「Z世代会議」プログラムに沿って進められた

「多拠点居住」をテーマに15年後の暮らしを思い描く

コロナ禍を通して、私たちの生活は大きく変わりつつあります。「15年後、わたしはどこでどんな風に暮らしていたいのだろうか?」。そんな風に考えることはありませんか?

新しい暮らしのあり方として注目を集めている「多拠点居住」をテーマとした「定住に捉われないライフスタイルの台頭ワークショップ」。1990年半ば〜2010年代に生まれたZ世代の若者と、日立製作所でプロダクトデザインに携わり、生活に関する価値観変化について日頃から関心の高いメンバーが、「15年後の暮らし」について語り合いました。協力は株式会社dot(以下dot)。学習院大学の自主ゼミを母体として学生たちが立ち上げ、現在は全国からやる気に満ちたZ世代が集うイノベーションチームです。dotはソーシャルネイティブであるZ世代の本音を引き出しながら、Z世代当事者が熱狂するアイデアを共創し、企業の課題解決につなげる「Z世代会議」プログラムを提供しています。

今回のワークショップでは、15年後を生きるZ世代の「暮らし」に関するインサイト発掘を目的に、

Q1「15年後の理想の暮らしは?」
Q2「15年後に絶対したくない暮らしは?」
Q3「Q1,Q2を振り返って、暮らしに関するキーワード・インサイトをできるだけ探そう」

の3つの問いを立て、グループ討議を行いました。

Z世代の声を聞くことの意味

ワークショップに先立ち、主催の研究開発グループ デジタルサービス研究統括本部社会イノベーション協創センタ 主管デザイン長 丸山幸伸にそのねらいを聞きました。

日立・丸山:
日立は「生活者の価値観変化のきざし」について、2010年から研究を続けています。こうした未来洞察についての取り組みを進める中で、15年先に社会の中心で活躍しているだろう今の若者たちの価値観を知ることで、15年後の社会に起きる環境変化や、その変化を社会全体が受け入れるために必要な考え方が見えてくるのではないかと考えました。

一方、Z世代とのコラボレーションでよくあるのが、マーケティング的なセグメンテーションとして「Z世代」というステレオタイプにあてはめる手法です。彼ら自身も、企業の期待に応えるべく「Z世代らしさ」を演じてしまいがちです。しかし、今回わたしたちが求めているのはそういうことではありません。「彼らをターゲットにした商品をつくりたい」といった目的もありません。

顕在化しているニーズを超えて、彼らの深層にある思いに迫ることで、15年後の居住のあり方に対する洞察につなげられるのではないかと期待しています。

画像: 求められがちな「Z世代らしさ」ではなく、その人自身の中に芽吹き始めている価値観に迫る

求められがちな「Z世代らしさ」ではなく、その人自身の中に芽吹き始めている価値観に迫る

15年後の理想の暮らしを語り合う

ワークショップ当日、協創の森にやってきたのは多拠点居住への関心をもつ9人のdotメンバー。既に多拠点居住をしている社会人、国内と海外に拠点をもつ学生、実家に住みながら多拠点居住に憧れる学生など、立場はさまざまです。日立からは、研究開発グループ デジタルサービス研究統括本部 社会イノベーション協創センタの増田藍、南野智之、高田将吾がグループトークに参加、オブザーバーとして、主管デザイン長 丸山幸伸と日立グローバルライフソリューションズ株式会社の井口匠が参加しました。

簡単な自己紹介のあと、「学生チーム」「学生・社会人チーム」「社会人チーム」の3グループに分かれてディスカッションが始まりました。

ファシリテーターのトミーさんから投げかけられた問いは全部で3つ。

Q1「15年後の理想の暮らしは?」
Q2「15年後に絶対したくない暮らしは?」
Q3「Q1,Q2を振り返って、暮らしに関するキーワード・インサイトをできるだけ探そう」

「15年後の暮らしがどうなっているかは、わたしたちにとっても関心の高いテーマだと思います。自分の思ったことを遠慮せず、どんどん話してください。」

とトミーさん。フラットに本音を語り合える雰囲気をつくるため、日立のメンバーもdotのメンバーも、お互いをニックネームで呼び合うのがルールです。

暮らしと仕事をつなげたい

社会人・学生チームは、東京2拠点と長野1拠点で暮らすぽにょさんの体験談をきっかけに、議論が深まっていました。

dot・ぽにょさん:
地域にはそれぞれの良さがあります。自分に100パーセント合う場所はないから、居心地の良い場所を探そうとすると3拠点ぐらい必要かな、と思って多拠点居住を始めました。

もともと、やりたいことが地域にあったんです。地域には、仕事と生活が混じり合っている感じがあります。仕事をすると自分の住んでいる町が暮らしやすくなる。暮らしやすくなると更に面白い人に会える、という風に、つながりを感じたいんです。今は地域で一緒に楽しいプロジェクトをやりたい人を呼んでくる仕事をしていますが、そこから新しい事業が起きて雇用も生まれる。そういう仕事の仕方は、東京だと難しかったんです。

dot・めいこさん:
仕事もプライベートも一緒だと、気持ちを切り替えにくくありませんか?

dot・ぽにょさん:
むしろ多拠点だからいいのかもしれないですね。1か所だと、仕事もプライベートも
ずっとつながっている。でも、多拠点生活なら、たとえば東京にいる間は長野のこ
とからは少し離れてリフレッシュできる。それが自分にとっては心地が良いです。

画像: 対話を通じ、少しずつ個人の背景が見えてくる

対話を通じ、少しずつ個人の背景が見えてくる

家族に閉じずに外とつながりたい

長野からオンラインで参加したみささんは、ぽにょさんのパートナーです。出産を控えたみささんを中心に、単身ではなく家族をもった状態での多拠点居住について話題が広がりました。

dot・みささん:
彼は今後、長野をメインに仕事をする予定です。仮に暮らしのメインを東京にした場合、彼は長野から東京に通わなくてはならなくなるかもしれません。その場合2拠点生活を大変だと感じる時が来るかもしれないなとも思っています。

日立・あいさん(増田):
特に、お子さんの学校が始まると定住せざるを得なくなるかもしれないですね。

dot・みささん:
そうですね。子どもが小さい時はいいかもしれませんが、就学のタイミングで長野に定住するという選択肢を選ぶことになるのかもしれません。

dot・トミーさん:
みささんは今後、長野のご自宅をゲストハウス / シェアハウスにして運営予定だと聞きました。なぜそうしたいと思うんですか?

dot・みささん:
わたしたちは夫婦でよく話す方だとは思いますが、家族2人だとどうしてもコミュニケーションが閉じてしまいます。外とのつながりも大切にしたいし、家族とはいえ、お互いに干渉しすぎる生活はしたくない。価値観の合う人と家をシェアして、外とのつながりを保ちたいと思っています。

「15年後の暮らし」をテーマとしたディスカッションから、仕事、家族、子育てに関するさまざまな気づきが生まれました。次回は、ワークショップ内の発言から、15年後を生きるZ世代の社会観や生活観にさらに迫ります。

画像1: [Vol.1]Z世代と考える、15年後の暮らし方│定住に捉われないライフスタイルの台頭 dotと日立の深い討議

株式会社dot / イノベーションチームdot

『Z世代発!ハッピーイノベーションを世界へ。」を掲げ全国からやる気に満ちたZ世代が集う未来型組織。Z世代会議・チームグラレコなど、Z世代の ”好き” から事業が生まれている。
https://www.innovation-team-dot.com/
https://www.join-the-dots.net/blog/category/team-dot

画像2: [Vol.1]Z世代と考える、15年後の暮らし方│定住に捉われないライフスタイルの台頭 dotと日立の深い討議

増田藍
研究開発グループ デジタルサービス研究統括本部
社会イノベーション協創センタ
プロダクトデザイン部 主任デザイナー(Design Lead)

日立製作所入社後、コンシューマ向けAV機器、プロユース医療機器などのプロダクトデザインを担当。現在は生活家電の新サービス創出に従事。

画像3: [Vol.1]Z世代と考える、15年後の暮らし方│定住に捉われないライフスタイルの台頭 dotと日立の深い討議

南野智之
研究開発グループ デジタルサービス研究統括本部
社会イノベーション協創センタ
プロダクトデザイン部 デザイナー(Senior Designer)

プロダクトデザイン、UXデザインを専門に国内外様々な製品開発を担当。日立製作所入社後は主に家電分野において新商品、サービス創出に従事。

画像4: [Vol.1]Z世代と考える、15年後の暮らし方│定住に捉われないライフスタイルの台頭 dotと日立の深い討議

高田将吾
研究開発グループ デジタルサービス研究統括本部
社会イノベーション協創センタ
サービス&ビジョンデザイン部 デザイナー(Associate Designer)

日立製作所に入社後、都市・交通領域におけるパートナー企業との協創をサービスデザイナーとして推進。

画像5: [Vol.1]Z世代と考える、15年後の暮らし方│定住に捉われないライフスタイルの台頭 dotと日立の深い討議

井口匠
日立グローバルライフソリューションズ株式会社
ビジョン戦略本部 ビジョン商品企画部 部長代理

2007年に株式会社日立製作所デザイン本部(現研究開発グループ東京社会イノベーション協創センタ)に入社。鉄道情報システム分野のUI・UXデザイン、顧客協創ツールの開発、生活家電分野のアドバンスドデザインとサービスデザインを担当。2020年10月から現部署に在籍し、未来洞察を活用したビジョン駆動型のソリューション企画や顧客協創に従事。
https://www.hitachi-gls.co.jp/

画像6: [Vol.1]Z世代と考える、15年後の暮らし方│定住に捉われないライフスタイルの台頭 dotと日立の深い討議

丸山幸伸
研究開発グループ デジタルサービス研究統括本部
社会イノベーション協創センタ
主管デザイン長(Head of Design)

日立製作所に入社後、プロダクトデザインを担当。2006年にサービスデザイン、2010年にビジョンデザインを立ち上げ、2016年に英国デザインラボ長。帰国後はロボット・AIサービス、ライフサービス事業分野のストラテジックデザインをリード。デザイン方法論開発、人材教育にも従事。2020年より、現職。立教大学大学院ビジネスデザイン研究科客員教授。

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