[Vol.1]サービスデザインのいまと海外動向
[Vol.2]意味の捉え方やエコシステムの構築に対してできること
[Vol.3] 多様な現実に目を向け、めざすべき社会像を描く
チェリー・ピッキングに陥らず、全体として捉えられる
永井さん:
赤羽さんが言ったように、Business Origamiは大きなエコシステムを描こうと思っても個別的になってしまうようなケースを解決する一つのツールでもあると思うので、その辺りの意図も丸山さんからお聞かせください。そして、「こっそりやりましょう」という話もありましたが、ここからデザインやサービスデザインは、めざすべき社会像をどう実現するかというステージに移行していくと思います。その時のBusiness Origamiの可能性はいかがでしょうか。
丸山:今日このトークイベントとは別の場所でBuisiness Origamiを使ったワークショップを実施してきたのですが、テーマは某ハンバーガーショップのユーザーリサーチ結果をみんなで共有するものでした。参加者がミステリーショッパー(覆面調査)をしながら見てきた結果、利用の場面で問題を抱えているような人、問題は抱えていないけど変な行動をしている人などがいたので、盤面にその店舗を書き、「ここに座っていた人はモバイルオーダーをしたけれど、モバイルオーダーの番号ディスプレイに背を向けて座る椅子しかないから番号が見えず、呼ばれていることに気づけなかった」などと書いていきました。
実際に店舗の中ではいろいろなことが起こっていますが、実はユーザー調査してきたものを我々がデザインの業務の中でやると、それぞれのペルソナやユーザー固有の問題として、一人のストーリーに細分化されて報告されてしまいます。そうするとデザイン系のプロジェクトでよくありますが、チェリー・ピッキング※といいますか、一番面白そうな問題を抱えている人をつまみ上げて、「この問題を解決しましょう」となりがちです。本当はその会社にとってあんまり影響がないことなのに、盛り上がるアイディアをデザイナーがつかむというパターンが起こります。
それに対してこのハンバーガーショップのワークショップでは、誰か一人の人物像だけを追いかけず、多様な問題を抱えた人々が同居する現場の構図のままを盤面上に置きました。そうすると、通常のユーザー調査報告書だと、人物像ごとに個別に報告される情報を全部同時に、関係性を持った状態で見ることができます。さらには、「利用に問題を抱えている人」だけではなく「楽しく過ごしている人」も全部置いて、俯瞰してみたうえで「この店舗のエクスペリエンスって何?」という上位の考察にも至ることができました。このワークショップでの体験の意味はそこにあったと思います。
赤羽さん:
このワークショップでは三つのワークをやりました。最初のものが、今言ったような、みんなが持ち寄ったユーザー像を一つの空間の中に仮想的に置くワークです。ちょっと感動したのが、僕が(現場を)見て考えたのは神奈川県鎌倉市の店舗で、一緒にいたメンバーは東京都国立市の店舗で、違った場所を参照しているはずなのですが、オリガミを組み合わせていろいろな人を置いていったところ、一つの空間の中でいろいろな人たちがいろんなことを思っている雑多な風景が頭の中にくっきりと立ち上がってきたことです。ペルソナを立ててチェリー・ピッキング的に解決するのではなく、全体像が頭の中に立ち上がったことで、店員も含めて空間にいる人たちみんながもっといい感じになるにはどう捉えればいいんだろう、という思考に自然と向かっていった感覚がありました。
※チェリー・ピッキング…数多くの事例の中から、自説に都合の良い事例だけを選び取り、提示すること。
井登さん:
今のお話に関係するかは分かりませんが、Business Origamiと類似しているツールキットはカスタマージャーニーマップなど他にもあります。その中であえてBusiness Origamiを使う意図としては、さっき丸山さんも言ったようにいろいろなことが同時多発で起きていく様子を、実際にカードを動かしながら体験できるからです。なので、僕らが実際に仕事で使う時には、つくり上げたBusiness Origamiの配置を見るだけでなく、つくっていく過程を全て録画することもあります。後からプレイバックしたりタイムラプス的に早送りしてつくられていく過程を振り返る意味もありますが、そうすることで、何がその世界で起きているのかを捉えやすくなるからです。
カスタマージャーニーマップは、主人公が旅をしていく様子がリニアに進むので、視点が一方的になります。一方、Business Origamiはいろいろなところでいろいろなことが起きます。いろいろな人が主人公になり、あまり気にかけないような出来事も含めて同時多発的にさまざまなことが起きている様子を全体として振り返りやすいです。
丸山:
社会という同じ空間、同じコミュニティの中にはとても小さな幸せ、お金にも変えられないような個人的な喜びをしている人もいれば、その横でものすごくお金を儲けている人も、不利益を被っている人もいたりします。いろいろなことが同時多発で起きています。それを並べてみると、今まで考えたことがなかったような組み合わせに気が付き、「あれ?この問題を解く秘密の鍵になるじゃん」という感じで組み合わさっていき、実はそれが三方よしの関係性を生み出すことになっていきます。
Googleには検索キーワードを入力してくれる、いわばサービスの労働者がいてくれたことで検索エンジンが強くなったように、その裏の振り子をやってくれている人がいることでサービスが成立するようなケースが散見され始めています。そうしないと売り手は、買い手だけから対価を引き出す構図から抜けられないからです。そこから抜ける第三の利害関係者を作り出すことが、これからもっと大事になっていくのではないでしょうか。
永井さん:
少し戻りますが、リアルに想像できたという赤羽さんの話と、可変性プロセスが大事だという井登さんの話で、やっぱりBusiness Origamiの特徴は3次元であること、動かせる可変性が最大の特徴だと思います。
丸山:
似たようなものでレゴブロックを使って構想を考えるレゴシリアスプレイというメソッドがあります。サービスデザインのチームを立ち上げる頃に、私も体験したことがありますが、立体であり、動かせるという意味では一緒ですが、ビジネスやビジョンを考えるときの視座を提供する機能がないと、思考を掘り下げていく力が作用しません。外力としてのビジネスの視点や問いのようなものが入ることによって、立体の際立っていることの良さや、動かしたくなる気持を駆り立てているのかなと思います。初回はファシリテーターがいた方が仕組みが分かりやすいですが、それ以降は、手順に沿って自分たちでカードを置いてみると、途中で、「このカードが車のカードだったとしたら物流があったかもね」と参加者自身がカードからインスパイアされたり、グループのリフレクションを受けることができます。議論を円滑に進めるためのシンプルな手順と、発想を刺激する視座が一体になっているのが、このデザイン方法論の特徴です。
カラフルでパキパキする楽しいBusiness Origami
井登さん:
Business Origamiは非常に素朴でシンプルですが、可能性のあるツールだと思います。これまでのマッピングツールはユーザーやヒーローの視点から見た時間と空間を描くのには非常に長けていてまとめやすいですが、時間と空間にはいろんな変化があります。物事が移り変わっていく様子や繋がっていく様子は、これまでの手法ではなかなか描ききれませんでした。しかし、立体的に折ったカードを置いていて触っていると、意味やリアリティが浮かび上がってきます。非常に面白いと思っているので、もっと普及してもらいたいと思いますし、もっと使いこなせるようになりたいと思います。
赤羽さん:
レゴシリアスプレイは僕もやったことがあります。人や物をつなぐコネクターの結節で色々変わるのが面白いのですが、作ることが面白くなって、考えることよりも作ることに集中してしまう傾向がありました。一方で平面のエコロジーマップは考えるにはいいけれど、手を動かしながら考えることよりも思考が優先されてしまう面があります。Business Origamiはフィジカルな部分も頭を動かす部分も両方バランスが取れていいなと感じました。
また、脱人間中心という話や、サービスデザイン自体も捉え直しが起こっているという話がありましたが、ハンバーガーショップのワークショップをやっているうちに、自然と、店内にいる人だけではなく、店に来る前の人や店に入るのをやめた人についても考えられるようになりました、元々自分たちが規定していた空間の外側を自然と意識できるようになると感じたので、今後は自分たちが想定しているエコシステムの外側には何があるのかというような構造自体の意味の捉え直しにも活用していけるツールだと思いました。
丸山:
私達のような企業も皆さんの会社や組織も、製品だけではなく、これからの社会のことを考えて事業を構想しなければならないという非常に難しい時代になってきましたが、暗い顔をしていては、心躍るような未来のビジネスは描けません。なぜパキパキと折るBusiness Origamiにしたかというと、クリエイティブな気持ちになれるからです。カラフルでパキパキするBusiness Origamiを使って、ぜひ一緒に楽しく世の中を良くしていきたいですね。
「Business Origami®」は、多様な価値観をもつメンバーが一つの卓を囲み、視覚的にイメージを共有し創造的なディスカッションを行うことで新しいサービスの全体像をデザインするためのメソッドです。
紙製のカード型ツールは2つに折ることで人型や建物、乗り物といった「折り紙」の模型を簡単に作れます。カードには具体的な名称を書き込む欄が設けてあり、ステークホルダーとその関係性を卓上に並べることでサービス構造を可視化し、全体像の理解、課題の発見・共有といった新サービスの構築に役立ちます。
(多摩美術大学プレスリリースより転載)
Business Origamiにファシリテーターは必要か
イベント参加者からの質問:
私自身レゴシリアスプレイのトレーナーとして研修を受けたことがありますが、レゴを持って運ぶところが大変ですし、まずレゴの使い方を教えることに時間がかかると感じていました。その点でBusiness Origamiは運用面でもすごく使いやすい印象を持ちました。
私はブランディング、リブランディングの仕事をしていますが、どう活用したらいいか、実績やアドバイスをお聞かせください。
丸山:
ブランディングとサービスは非常に近い概念だと思っています。たとえば店舗を持っている会社がお客さまに対してどういう接客クオリティを出しているか、という分析のフェーズで、よくBusiness Origami使っています。通信会社や電力会社の案件でもかなり使われました。お客さまにどういう心象を残すかが大事なので、カフェやバーガーショップ、レストラン、またはショッピングモールなどの導線を再考する際にも効果があると思います。
井登さん:
ブランドはそもそもデザインできるのか、にじみ出るものじゃないのか、という考え方もあるかもしれませんが、ブランドは企業であれ製品やサービス、事業であれ、価値の塊です。何がいいものなのかを探索していく必要があると思います。我々のブランドはこういった価値がある、ということが明確になっていて揺るがない自信と覚悟のあるブランドであれば、その探索は必要ないかもしれませんが、自分たちをブランドとして捉えたときに何がアイデンティティになるのかを固めていく、見出していくことが大切です。
その際に、Business Origamiを使うと、至るところでいろんな意味が起こっていることが見えてきます。たとえば店頭での接客の際、何が顧客に一番喜ばれていのかを見ていくと、すごく大きな喜びもあれば、普段見過ごされている何かがあることも見えてきます。
ブランドというと「我々の価値はこうである」と拳を振り上げがちですが、ブランドは本来そういうものではなく、外側から見て何が価値になっているのかをすくい上げていったときに、自分たちのアイデンティティや立場を決めていくものだと思います。浮かび上がらせ、救い上げていくときに、Business Origamiで手を動かし、いろいろな局面を描き、関わり合いを見ながら何が起きているのかを整理する道具として使うと非常に有益だと思います。
イベント参加者からの質問:
ワークショップにも参加させていただいたことがありますが、うまくいくにはファシリテーション機能が重要だと感じました。先ほどの丸山さんが1回目はファシリテーターが必要だけど、2回目からは自由にやって大丈夫と言いました。そうしていくためにも、ファシリテーターとして必要な能力やスキルについて教えてください。
丸山
Business Origamiは完璧で素晴らしいサービスモデルを作るためにあるのかというと、僕はそこに若干疑問があります。いい成果を出すためには、確かにファシリテーションによって、議論からこぼれそうになるものをトントンと内側に入れたり、気がついてないことを救い上げたりできますが、井登さんが言っていたように、サービスモデルを検討していくプロセス上の学びや、こんなことあったかもしれないという発見など、チームの中で生まれる学習の方に大きな価値があるように思います。だからこそ、ビジネスの現場の中で活用いただく際は、うまいファシリテーターを育成することに重きを置くよりも、まずはとにかく使い、みんなが新しいサービスをたくさん考えること、失敗を重ねることを考えてほしいです。
その上でファシリテーターについてですが、議論にアクセルをかけたりブレーキをかけたりという調整能力があるといいですね。あとは全体観を把握する傾聴。みんなが何を言っているかよく聞くことです。そして、転びそうになったときにちょっと手を差し伸べるような指導力ですね。
赤羽さん:
いま丸山さんがおっしゃった通りで、カスタマージャーニーでもBusiness Origamiでも、ツールがあればうまくいくものではありません。何回も使ってみることで熟練していく、というのが肌感覚として一番感じているところです。ファシリテーションについては、時間無制限一本勝負であればやりようはいろいろあると思いますが、限られた時間の中でうまく創造性を引き出してドライブしてあげて新しいものを見つけて、というのがファシリテーションとしての条件かなと思います。また、お題に対してどういうパターンのBusiness Origamiの使い方がよさそうかという仮説とワーク設計が必要になるので、限られた時間の中で何を伏せて何を残してどこで盛り上げるか、というワークショップ設計の経験も必要になるかなと思います。
足りなくなったカードを補充したい
イベント参加者からの質問:
Business Origamiを眺めていると触発されるという言葉がありましたが、ビジネス折り紙のちょうど良さとしてどのような工夫がされていますか。
丸山:
まずはビジネス折り紙が名刺大になっていることです。レゴは大きいという声がありましたが、名刺ぐらいのものであればポケットにも入りますし、名刺入れに忍ばせてもいいと思います。並べたときにテーブルからあふれないという意味でも、ほどほどの大きさであることは大事だったと思います。
制作してくれている福永紙工さんにはだいぶご迷惑をかけましたが、紙の厚さにはかなりこだわりました。かすれたマーカーでホワイトボードに書くと気持ちが萎えるのと同じように、紙がシャキっと立っていないとクリエイティブ力が落ちると思ったからです。パリッと立つことにこだわりました。
また枚数と種類は、社会系のサービスをやるときにこのぐらいはいるよね、という車や建物を程よく入れて視点を散らすことを心掛けました。
赤羽さん:
使っていて感じましたが、テーマによって使う種類が偏りますね。使っていくうちにビジネスバリューとインフォメーションだけが余ったけどどうしよう、という状況になる気がしました。今回販売になったものはスターターキットだと思うので、1種類だけとか、アクター用カードだけとかで買えるようなになると嬉しいなと思いました。
永井さん:
実は人間カードが足りなくなる傾向があったのでそれもちょっと相談しました。
丸山:
その問題はずっと悩んでいるのですが、これはユーザー次第です。皆さんがたくさん使ってくれると、人間カードだけの販売などができるかもしれないので、ぜひ皆さまよろしくお願いします。
赤羽さん:
Business Origamiは箱に入っていてすごく素敵なプロダクトなので、使うことを少し躊躇してしまうところもあります。むしろ20箱ぐらい買って中身をワークショップワゴンの上などに全部出して、好きなように使っていいよ、とした方がいっぱい使ってもらえる気がしました。
丸山:
私が所属している組織では、年間300箱ぐらいを用意し、自由に使っていいことにしています。やはり人のカードが多く使われるので、皆さんが協力してくれるようでしたら、人間だけを集めたカードセットなどを、今後はご用意できるようにしたいと思います。
イベント参加者からの質問:
今日は感銘を受けました。私は観光学という少し変わったところに所属して観光に関わっていますが、観光にはすごくいろいろなステークホルダーが関わっていて、観光者には全く関係のない市町村の区分けでサービスが変わるという大きな問題が起こっています「隣の町のことは宣伝するな」ということを平気で言ったりします。そこを変えたいと常々思っているので、Business Origamiをぜひ観光で使いたいと思っています。地域で使われた事例などがありましたらぜひ教えてください。
丸山:
デザイン経営宣言のレポートの中でも、デザイン経営に効果があるのが観光分野ではないかという指摘があるので、非常に親和性が高いと思います。地域創生の中で多くの自治体が観光を取り上げていると思うので、各自治体の皆さんが関わってクリエイションをするときにBusiness Origamiはとても向いていると思います。
実は私達は、効率化だけをめざすスマートシティではなく、新しい地域創生というテーマでやっています。例えば、観光から議論をスタートした後に、観光客が来るためのインフラはどう整備する?というように、話題が発展し、結局、インフラも含めた総合的なまち作りの議論になっていったような事例もありました。
イベント参加者からの質問:
ビジネスの分野で自社のサービスを考えるのに強力なツールだと思いますが、私は前職についていた時に日立さんのご協力で大学生に対してBusiness Origamiを使ったワークショップをしました。ビジネススクールでやる際も、学んでいる人はビジネスマンですが教育の文脈だと思います。教育の文脈で使うことに対しての知見や、大学生だけではなくこういう人にもできるよ、という手応えなどがあればお聞きしたいです。
丸山:
教育という現場で使っていくときに二つの方向性があると思います。一つはサービスデザイン、サービスサイエンス、マーケティングなど、Business Origamiを使うのに前提となる知識がすでにある人たちが使う可能性です。一方、そもそもサービスがよく分からないという方たちが使う可能性も考えており、いままさに取り組み始めたところです。
それぞれ違う形で学びの効果があることは感じていますが、「デザインってこういうことなんだ」「サービスってこういうことなんだ」と理解の階段を丁寧に設計しないとうまくいかないですね。逆にある程度、調査や企画の専門をもつ方たちには、バイアスを抜くような学びほぐしを意図したプロセスがいると思います。
永井さん:
あっという間に終わってしまいました。今日が記念すべき第1回のトークイベントでしたが、今後2回、3回とこのようなイベントを続け、少しでも多くの方にBusiness Origamiのことを知っていただきたいと思っています。
赤羽 太郎
株式会社コンセント シニアサービスデザイナー
国際基督教大学教養学部人文科学科卒。株式会社コンセントにおいて新規サービス事業開発や体験デザイン、またそれを生み出す組織やプロセスを作るデザインコンサルティングに従事。Service Design チームの大規模プロジェクトにおいて多数リードを務めたのち、現在はDesign Leadership チームにおいて新しいデザイン方法論やアプローチの探求を行う。国際団体であるService Design Networkの日本共同代表を務め、国内外でのUX/SD 関連セミナー登壇活動のほか、「This is Service Design Doing」「Good Services」ほかデザイン関連書籍の翻訳や編集協力を行っている。飛び込み営業が社会人としての原体験なので、泥臭いプロセスもわりと得意である。HCD-Net 認定人間中心設計専門家。
井登 友一
株式会社インフォバーン 取締役副社長 / デザイン・ストラテジスト
2000年前後から人間中心デザイン、UXデザインを中心としたデザイン実務家としてのキャリアを開始する。近年では、多様な領域における製品・サービスやビジネスをサービスデザインのアプローチを通してホリスティックにデザインする実務活動を行っている。また、デザイン教育およびデザイン研究の活動にも注力中しており、関西の大学を中心に教鞭を執りつつ、デザインとイノベーションを主題とした研究を実施中。
京都大学経営管理大学院博士後期課程修了 博士(経営科学)
HCD-Net(特定非営利活動法人 人間中心設計推進機構)副理事長
日本プロジェクトマネジメント協会 認定プロジェクトマネジメントスペシャリスト
永井 一史
アートディレクター/クリエイティブディレクター
株式会社HAKUHODO DESIGN代表取締役社長
多摩美術大学教授 TCL(Tama Art University Creative Leadership Program)エグゼクティブスーパーバイザー
1985年多摩美術大学美術学部卒業後、博報堂に入社。2003年、デザインによるブランディングの会社HAKUHODO DESIGNを設立。さまざまな企業・行政の経営改革支援や、事業、商品・サービスのブランディング、VIデザイン、プロジェクトデザインを手掛けている。
2015年から東京都「東京ブランド」クリエイティブディレクター、2015年から2017年までグッドデザイン賞審査委員長を務める。経済産業省・特許庁「産業競争力とデザインを考える研究会」委員も努めた。
クリエイター・オブ・ザ・イヤー、ADC賞グランプリ、毎日デザイン賞など国内外受賞歴多数。著書・共著書に『幸せに向かうデザイン』、『エネルギー問題に効くデザイン』、『経営はデザインそのものである』、『博報堂デザインのブランディング』『これからのデザイン経営』など。
丸山 幸伸
研究開発グループ デジタルサービス研究統括本部
デザインセンタ 主管デザイン長(Head of Design)
日立製作所に入社後、プロダクトデザインを担当。2001年に日立ヒューマンインタラクションラボ(HHIL)、2010年にビジョンデザイン研究の分野を立ち上げ、2016年に英国オフィス Experience Design Lab.ラボ長。帰国後はロボット・AI、デジタルシティのサービスデザインを経て、日立グローバルライフソリューションズに出向しビジョン駆動型商品開発戦略の導入をリード。デザイン方法論開発、人財教育にも従事。2020年より現職。武蔵野美術大学クリエイティブイノベーション学科教授。
関連リンク
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