日立製作所研究開発グループが実施するオンラインイベントシリーズ「協創の森ウェビナー」。社会イノベーションを実現するには、ビジョンを立てることが大切です。しかし、ビジョン(ありたき姿)と現実の間にはギャップがあります。このギャップを乗り越えるために、デジタル技術はどのように貢献できるでしょうか。日立製作所研究開発グループ社会イノベーション協創統括本部統括本部長の森正勝が語ります。

プログラム1「ビジョンを実現するためのシステムチェンジ」
プログラム2「社会課題解決とDX」
プログラム3「DXの効果を共有する-Cyber-PoC」

前提を変えることが変革につながる

顧客企業の業務やエンドユーザーの行動は、何らかの前提に基づいています。しかし、前提を取り払い新しい行動様式を考えることで、ありたき姿に変えていく必要があるのではないかと私たちは考えています。

画像: デジタル技術の活用により、業務変革の価値や効果を可視化することができる

デジタル技術の活用により、業務変革の価値や効果を可視化することができる

そこで、新しい行動様式を埋め込むために、日立は業務の変革を重視してきました。ところが、変革した価値・効果が充分に見えないことが新たな課題となっています。

それに対し、デジタル技術を活用することで見える化し、そこから新しいインサイトを獲得、現場へフィードバックし、次の変革を促す……このような持続可能なトランスフォーメーションを実際の業務や仕組みに埋め込んでいくことが重要だと考えています。

ここで日立の取り組み事例を2つご紹介します。

混雑可視化システムによってダイヤの復元力を高める

画像: 社在来線の混雑状況を可視化することで、状況に応じた運転間隔調整が可能となった

社在来線の混雑状況を可視化することで、状況に応じた運転間隔調整が可能となった

1つ目はJR東日本と共同で行った「在来線の混雑状況を可視化する」取り組み事例です。

これまで、人身事故などで乱れたダイヤを正す調整業務は、「運転間隔を等間隔にすること」がセオリーとされていました。そして、指令員の経験と現場の努力によって行われてきました。そういった状況を踏まえ、私たちはそのセオリー自体をデータの活用によって変えられるのではないかと考えました。

各区間の混雑率や遅延状況は、データとして把握することが可能です。データを用いながら「ダイヤをいかに早く正常に戻すか」というそもそもの問題に立ち返って考えました。そして「データを用いて運転間隔を調整することが可能なのではないか」との仮説を立てました。

その結果、混雑していない電車はそのまま待機させる、混雑している電車はできるだけ早く移動させる、という新しいオペレーションを導入することができました。お客さまにとってもより負担のない運転間隔調整が実現したのです。

これまでのセオリーを変えることで、お客さまの安心安全と業務の効率化が実現し、ダイヤの復元力が増しました。

施策ごとのKPIを見える化する

画像: DXにより、化学製造業の課題であるKPIの見える化、需要変動への追随が進んだ

DXにより、化学製造業の課題であるKPIの見える化、需要変動への追随が進んだ

2つ目は、産業分野の予算策定・実行支援システムの事例です。

多品種の生産で需要変動が多い化学製造業では、販売施策や生産パラメータが膨大で、部門間の調整が困難です。そのため、需要変動に素早く追随できないという課題がありました。

そこで、販売拠点や生産拠点など、さまざまなパラメータを用いた最適シミュレーションをデジタルの力で実現し、さまざまなシナリオ(施策)に対するKPIの見える化が進みました。そして、部門間の計画調整にかかる時間を劇的に短縮し、需要変動への追随が可能になりました。その結果、利益を得るだけではなく、無駄がないという社会価値を実現することができました。

鉄道分野と同様に、デジタルの力で業務変革し、持続的なトランスフォーメーションを実現した事例です。

デジタルの力でトランスフォーメーションを実現する

画像: 持続可能なトランスフォーメーションを起こすための業務変革が必要となる

持続可能なトランスフォーメーションを起こすための業務変革が必要となる

日立は、トランスフォーメーション(行動変容)を起こすために、業務変革に取り組んでいます。デジタルの力を使い、見える化し、インサイトを引き出す。その結果、次の変革を起こすという、持続可能なトランスフォーメーションを実現することが大事だと考えています。

デジタルの力を使って変革を起こす、DX(デジタルトランスフォーメーション) というアプローチを、日立の顧客のシステムだけでなく、社会課題という大きな社会システムに対しても取り組んで参ります。

DXを社会課題にぶつけるという挑戦を、皆様と一緒に実現して行きたいです。

次回はLumada Innovation Hub Senior Principal/シナモンAI取締役会長の加治慶光さんと、SDGsやパリ協定のようなバックキャスティングによる目標設定が定着しつつある今、社会課題解決の場でDXにはどんな役割が求められているのか、また、多様なステークホルダーを巻き込む上で、どのような合意形成をはかるべきかについて話し合います。

画像: ビジョンと現実のギャップを見える化する。日立のDX活用事例│協創の森ウェビナー第3回「DX for Innovation Business」プログラム1「ビジョンを実現するためのシステムチェンジ」

森 正勝
研究開発グループ
社会イノベーション協創統括本部 統括本部長(General Manager,Global Center for Social Innovation)

1994年京都大学大学院工学研究科修士課程修了後、日立製作所入社。システム開発研究所にて先端デジタル技術を活用したサービス・ソリューション研究に従事。 2003年から2004年までUniversity of California, San Diego 客員研究員。横浜研究所にて研究戦略立案や生産技術研究を取り纏めた後、2018年に日立ヨーロッパ社CTO 兼欧州R&Dセンター長に就任。
2020年より現職。
博士(情報工学)

プログラム1「ビジョンを実現するためのシステムチェンジ」
プログラム2「社会課題解決とDX」
プログラム3「DXの効果を共有する-Cyber-PoC」

協創の森ウェビナーとは

日立製作所研究開発グループによるオンラインイベントシリーズ。日立の研究者やデザイナーとの対話を通じて、新しい協創スタイルの輪郭を内外の視点から浮き上がらせることで、みなさまを「問いからはじめるイノベーション」の世界へいざないます。

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