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日立製作所研究開発グループが実施するオンラインイベントシリーズ「協創の森ウェビナー」。「アフターパンデミックの職住ライフスタイル」をテーマにした今回、プログラム2では「暮らしとシゴトのちょうど良い関係」をテーマに座談会形式で語り合いました。株式会社アクタスからの参加者は、ビジュアルマーチャンダイザー 岡田夕起氏、ヨーロッパ家具バイヤー 野口礼氏、雑貨グリーンバイヤー 徳増和司氏。日立からは、東京社会イノベ―ション協創センタ プロダクトデザイン部の助口聡、佐藤知彦、關舞、価値創出プロジェクトの高田芽衣、日野水聡子が参加しました。

プログラム1「Life-Style Design Innovation」
プログラム2「暮らしとシゴトのちょうど良い関係」
プログラム3「クロージングリマーク」

画像: 左から、日立製作所 佐藤知彦、關舞、日野水聡子、助口聡、高田芽衣/株式会社アクタス 岡田夕起さん、徳増和司さん、野口礼さん

左から、日立製作所 佐藤知彦、關舞、日野水聡子、助口聡、高田芽衣/株式会社アクタス 岡田夕起さん、徳増和司さん、野口礼さん

プロダクトデザインの視点と、インテリアの発想。

助口:
ナビゲーターを務めさせていただく、日立製作所 研究開発グループ プロダクトデザイン部の助口聡です。本日は「暮らしとシゴトのちょうどよい関係」をテーマに、インテリア業界から株式会社アクタスさまをお迎えして日立の社員との座談会をお送りします。

画像: ナビゲーターの日立製作所 研究開発グループ プロダクトデザイン部 助口聡

ナビゲーターの日立製作所 研究開発グループ プロダクトデザイン部 助口聡

アクタスさまには2019年に、日立のデザインチームからのオファーで冷蔵庫のデザイン開発を監修いただきました。その際に伺った、「北欧は日照時間が短く冬が長いため、必然的に家で過ごす時間が長い。だから、『おうち時間』を大切にする文化やインテリア産業が発展した」というお話が非常に印象に残っています。奇しくも今、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で日本でも自宅で過ごす時間が長くなり、ライフスタイルは劇的に変化しました。以前から「豊かな暮らし」を提案し続けてこられたアクタスさまと一緒に、アフターコロナの新しいライフスタイルを考察する。今こそそのタイミングだと考え、この座談会を企画しました。

画像: アクタスによるデザイン監修のもと日立が開発した冷蔵庫「R-HWS47KC」(右奥)。

アクタスによるデザイン監修のもと日立が開発した冷蔵庫「R-HWS47KC」(右奥)。

画像: インテリアとの相性を考慮してデザインされた小型冷蔵庫「Chiiil(チール)」。こちらもアクタスによる監修だ(2022年春以降発売予定)。

インテリアとの相性を考慮してデザインされた小型冷蔵庫「Chiiil(チール)」。こちらもアクタスによる監修だ(2022年春以降発売予定)。

アクタスさまからは、岡田夕起さん、野口礼さん、徳増(とくます)和司さんの3名にお越しいただきました。

岡田さん:
ビジュアルマーチャンダイザーの岡田です。先ほどご紹介いただいた、日立さまの冷蔵庫のデザイン監修を担当しました。

野口さん:
野口です。わたしはヨーロッパ家具バイヤーおよび家具の商品開発の責任者をしています。

徳増さん:
雑貨グリーンバイヤーの徳増です。「スローハウス」というライフスタイルブランドと、インテリアグリーンのブランド「NODERIUM(ノードリウム)」を担当しています。

助口:
よろしくお願いします。日立からは、研究開発グループの佐藤知彦、關(せき)舞、高田芽衣、日野水(ひのみず)聡子が参加させていただきます。

佐藤:
プロダクトデザイナーの佐藤です。冷蔵庫のデザイン開発を担当しています。

關:
プロダクトデザイナーの關です。掃除機と空気清浄機のデザイン開発を担当しています。

日野水:
サービスデザイナーの日野水です。主にスマートシティをテーマに、都市向けのソリューション創生に携わっています。

高田:
サービス研究者の高田です。主にデベロッパーと一緒にまちづくりや働き方、オフィスのあり方を検討しています。

コロナ禍で変わった、家電とインテリアのニーズ

画像: コロナ禍で変わった、家電とインテリアのニーズ

助口:
それではひとつめのトピックに参ります。コロナ禍の2年間でおうち時間が増えたことで、インテリアと家電、それぞれの分野で新たにどんなニーズや価値観の変化が生まれているのでしょうか。まずは日立側からお願いします。

關:
2020年に政府の緊急経済対策として特別定額給付金が支給されたタイミングで、スティック型掃除機の販売数がとにかく伸びました。在宅勤務の方が増えたことで、ちょっとしたすき間時間にご家庭の気になる箇所をお掃除したいというニーズが生まれ、手軽に使えるスティック型が選ばれました。

画像: 日立製作所 研究開発グループ プロダクトデザイン部 關舞

日立製作所 研究開発グループ プロダクトデザイン部 關舞

佐藤:
ご家庭で調理し食事する「内食」のニーズが非常に高まったことで、食品をまとめ買いする傾向も強くなりました。特に、いつも利用している定番食品の買い忘れを防ぐために冷蔵庫のストック状況を頻繁に確認する“ルーティン家事”が生活の中で日々増え、消費者の負担になっています。そういった世相を踏まえて2021年3月に日立が発売したのが、まとめ買いの食品を保存する“2台目の冷蔵庫”としての使用を想定した「スマートストッカー」です。

画像: 日立製作所 研究開発グループ プロダクトデザイン部 佐藤知彦

日立製作所 研究開発グループ プロダクトデザイン部 佐藤知彦

庫内に設置した重量センサーが食品の残量を検知し、専用のスマートフォンアプリに表示することで、ご家庭での定番食品のストック管理ができます。アプリは食品のECサイトとも連携しているので、買い足しもスムーズです。コロナ禍が終息したあとも、このニーズは定着していくと考えています。

助口:
アクタスさまのほうはいかがでしょうか。

徳増さん:
「ちょっとよい家具やインテリアを使うことで、長い時間家にいても、より豊かに過ごせるようになりたい」。そんなニーズの高まりを感じています。コロナ禍になって最初に売れ出したのが、家族みんなで使えるような中高級のソファ、その次が観葉植物でした。わたしたちは観葉植物を「インテリア以上、ペット未満」と位置づけています。ペットほど手はかからないけれど、インテリアと違って日々成長するものだから、それを愛でる気持ちが生まれる。このニーズが、コロナ禍のライフスタイルにフィットしたようです。

画像: アクタス 徳増和司さん

アクタス 徳増和司さん

關:
わたしもコロナ禍以降、観葉植物を多く採り入れるようになりました。グリーンが家の中にあるだけで外の空気を感じられ、リフレッシュにつながっています。

徳増さん:
生き物という有機的なものが身近にいないと居心地が悪い。そんな感覚が人間には本能的に備わっているのではないでしょうか。だから、多くの消費者さまが観葉植物にたどり着いたのだと思います。

モノがあって、生活がある。

野口さん:
近年、大きく変わったのが照明のデザインです。LEDの普及でデザインの自由度が高まったうえ、コードレスなので持ち運びができるポータブルライトも増えてきました。その一方、在宅勤務によりおうち時間が増えたなかで、明かりを変えるだけでオンとオフの切り替えができるといった照明の重要性に多くの方が気づかれたのではないでしょうか。照明とご家庭の需給関係が今ようやくマッチしたと感じています。

画像: アクタス 野口礼さん

アクタス 野口礼さん

徳増さん:
2つ、要因があると思います。1つは、野口も触れたように、コロナ禍で強制的におうち時間が長くなったことで、「居心地のよさって何だろう?」という問いに、多くの方が向き合えるようになってきたこと。
もう1つは、既存のプロダクトを使うことでより暮らしやすくなると多くの方が気づき始めたことです。夜だけでなく昼間も家に家族がいて、それぞれが仕事や勉強、家事に取り組んでいるなか、常に家の中のどこかに自分のスペースを確保しなくてはいけない。そういった暮らし方に、野口が挙げたポータブルライトはフィットします。

佐藤:
先ほどご紹介した冷蔵庫「スマートストッカー」も、従来の冷蔵庫のようにキッチンに置くだけではなく、リビングやダイニングにも置くことを意識してデザインしました。

画像: 日立が開発した冷蔵庫「スマートストッカー」(左)

日立が開発した冷蔵庫「スマートストッカー」(左)

プロダクトが発する“重力”があるというか、やはり「モノがあって生活がある」ということだと思います。ポータブルライトを持ち込んだ場所が自分のスペースになり、そこで本を読んだりお酒を飲んだりできるように、ご家庭の中にさまざまな生活スタイルが生まれるのではないでしょうか。

子ども用学習デスクという、3つめの居場所

助口:
2つめのトピックは「ワークスタイル」です。コロナ禍において、多くの企業で在宅勤務が定着しました。家の中に仕事が入り込んできたことによって、新たにどんな課題が生じているのか、あるいはどんな価値観の変化が起きているのか、伺っていきたいと思います。

野口さん:
在宅勤務が定着して一番変わったのは、主に日中、家の中にいる人数です。お子さまも含めて、ご家庭の中で家族一人ひとりがいろいろなことをやっている。そこにストレスを感じている方も多いのではないでしょうか。

わたしたちがコロナ禍以前から強く感じていたのは、家族がリビングやダイニングで一緒に過ごすことは間違いなく大切だということです。ただ、在宅勤務が定着したことで、個のスペースをいかに確保するかが非常に重要になりました。ダイニングテーブルとソファだけではもはや足りず、それらに続く3つめの居場所として使われるようになったのが子ども用のデスクです。わたしたちとしては、お子さまだけでなく家族みんなで使ってほしいという思いでずっとデザインをしてきたのですが、コロナ禍以降、お父さんやお母さんが仕事やちょっとした家事などに子ども用のデスクを使うという需要が増えました。

画像: アクタスが販売している子ども用デスクセット。家族の成長に合わせてさまざまな使い方ができるようデザインされている。

アクタスが販売している子ども用デスクセット。家族の成長に合わせてさまざまな使い方ができるようデザインされている。

それから、従来とは違った形のソファも売れるようになりました。以前は、テレビを見るために家族みんなで同じ方向を向いて座るタイプが人気でしたが、コロナ禍以降、コンパクトでもみんなが別々の方向を向いて座れるタイプが売れています。1人はテレビを見て、もう1人はノートPCで仕事をして、一緒の空間で過ごしながらも個々のスペースを確保できる。そんなデザインに対するニーズが高まっています。

画像: アクタスが販売しているソファ。家族が思い思いの方向を向いて座れるようデザインされている。

アクタスが販売しているソファ。家族が思い思いの方向を向いて座れるようデザインされている。

岡田さん:
在宅勤務が主流になってからは、わたしたちの店舗でも子ども家具のディスプレイを変えました。ダイニングテーブルを仕事に使うシチュエーションだったり、子ども用の学習デスクをリビングルームに持ってきたりと、大人もお子さまも使えるデスクとして提案する展示スタイルに変えています。

野口さん:
一日の中でも気持ちにはアップダウンがあります。家族みんなで楽しく過ごしたいときはテーブルで、1人で作業に集中したい、ちょっと気分を変えたいというときは子ども用のデスクで過ごす。家の中に居場所を設けることの重要性を、多くの消費者が感じているのではないでしょうか。

コロナ禍で広がる、椅子のデザインの可能性

岡田さん:
当社のあるスタッフは、在宅勤務でずっと同じ椅子に座り続けるのがつらいので、丸テーブルに、デザインがバラバラの椅子を4脚そろえたそうです。2時間ごとに座る椅子を変えることで、見える景色も変わってくる。そうやってリフレッシュしながら1日8時間の在宅勤務をしていると聞いて、なるほどと。今までは、ダイニングセットといえば椅子はおそろいのデザインにするのが主流でしたが、敢えてバラバラのデザインのものを提案するのもよいかもしれません。

画像: アクタス 岡田夕起さん

アクタス 岡田夕起さん

野口さん:
椅子ですからもちろん座り心地も大切ですが、在宅勤務をされている消費者からはデザイン性も重視されるようになってきました。とても機能的なワーキングチェアをダイニングテーブルに合わせると、確かにPC作業はしやすいけれど、家の中がオフィスのような無機質な感じになってしまう。そのジレンマに悩み、椅子選びに迷われるお客さまが少なくありません。デザインするわたしたちもその声にお応えできるよう努力しているところです。

コロナ禍以前からご好評いただいていた商品に、座面がお尻の形にくり抜かれた3本脚の木製のスツール(背もたれのない椅子)があります。もともとは、15世紀のデンマークで牛の乳しぼりに使われていたのがはじまりと言われています。この椅子をプライベートで使っていた当社のスタッフが、あるときふと気づきました。「木の座面なのに、長時間座っていても全然お尻が痛くならない。在宅勤務のニーズに応えられるのでは」と。 コロナ禍だからと言ってまったく新しい商品をつくるだけでなく、今すでに持っているアイテムにも目を向けて、活用する。そんな発想もわたしたちに求められていると感じます。

画像: アクタスが販売しているデンマーク・ワーナー社のスツール「SHOEMAKER OUTDOOR」

アクタスが販売しているデンマーク・ワーナー社のスツール「SHOEMAKER OUTDOOR

衣・食・住+「働」

日野水:
在宅勤務でオンラインの打ち合わせをしたときに、子どもの声が入ってしまうことがよくあります。わたしはデンマークやフィンランドで働いていたことがあるのですが、北欧ではコロナ禍以前からそれに近いことが日常的に起きていました。同僚がお子さんをオフィスに連れてきて大きなデスクで宿題をさせたり、ほかの同僚に赤ちゃんの面倒をみてもらったり。そういったことを通じて同僚の生活や人となりが自然に伝わってくることで、ヒエラルキーの少ないオープンな職場環境がつくられていったのではないかと、今振り返ると思うのです。

画像: 日立製作所 研究開発グループ 価値創出プロジェクト 日野水聡子

日立製作所 研究開発グループ 価値創出プロジェクト 日野水聡子

そういう職場環境はなかなか日本では生まれにくいだろうと思っていたのですが、図らずも在宅勤務が世の中に広がってきたことで、オフィスと家との境があいまいになってきました。子どもの声や足音が打ち合わせに入ってしまっても、「そんなものだよね、ちょっとくらいバタバタしていてもいいよね」とみんなが感じる。そんなマインドセットの変化が起きつつあり、ひいてはそれが、だれもが働きやすい職場環境をつくっていくのではないでしょうか。

佐藤:
わたしの家では夫婦ともども在宅勤務なのですが、同じタイミングでオンラインの打ち合わせがあると、お互いの声が重なってしまいます。そうならないよう、一日の中でフレキシブルに家具のレイアウトを変えています。家事や仕事が入り組む状況の中で、いかにストレスなく仕事環境を整えていくかが重要になってきていると感じます。

これまでは、衣・食・住という3つの視点から生活シーンが語られることが一般的でした。コロナ禍以降は「衣・食・住・働」の4つがモザイク状に交錯し、日々忙しく生活されている方が多いと感じます。日立ではこれを「ワーク・ライフ・モザイク」と呼んでいます。家事や仕事が混在した複雑な生活を、もっと快適にしたい。あるいは、より自分に合った形で働きたい。そういったニーズが今後ますます高まり、そこに新しいビジネスのヒントが隠されているのではないかと考えています。

家の外のモノを、家の中に採り入れる

助口:
3つめのトピックは「ウェルネス」です。コロナ禍以降、おうち時間が充実したり、多様な働き方ができるようになったりした反面、在宅勤務におけるオン・オフの切り替えの難しさや、一日中家の中にいることによる運動不足といった課題も生まれています。心身のリフレッシュを図るというニーズが家具やインテリアにも表れてきているのではと思うのですが、いかがですか。

徳増さん:
ルームフレグランスの売り上げがぐっと伸びています。外出中、人気のないところでマスクを外したときに、街の中にいろいろな臭いが混在していることに改めて気づく。そんな経験はないでしょうか。普段いろいろな臭いを遮断して生活している中で、自宅に戻ったら何かよい香りでリラックスしたい。そんなニーズが高まっています。店頭でお客さまとお話ししていても、エッセンシャルオイルや天然由来の香料に対する反応が劇的に変わりました。また、冒頭でも触れたように、インドアグリーンの需要も伸びています。本物に接することで、脳が刺激される。その大切さに、この閉ざされた生活の中で多くの方が気づかれたと思います。

ずっと家の中にいると、視界に入ってくる情報が限られてくるじゃないですか。北欧に暮らす方々がアートやポスターを生活に採り入れる際に上手なのが、気分や季節によって色の異なるものを飾ることで、自分の心情の揺らぎも感じている点です。美術鑑賞のように家の外だけに頼っていたことを、家の中でも感じようとする。コロナ禍をきっかけに、日本でもそんな変化が起きているのではないでしょうか。

家の中と外との境界線があいまいに。

日野水:
在宅勤務は、通勤に比べて時間や空間の制約が緩く働きやすい反面、発想に乏しくなるなどの弊害も意外とあることを、みなさん感じ始めているのではないでしょうか。外に出る機会が貴重だからこそ、その時間を活用し、刺激を受けようと楽しむ。思いがけない素敵な偶然に出会う。そういったセレンディピティ(偶発性)が、これからの都市生活では大切になると思います。

高田:
以前のわたしは、平日=オフィスに通う日が「ケ」で、休日は「ハレ」という感覚でした。ところがコロナ禍でずっと家にいる日が続いたせいで、たまに用事があって会社に行く日がむしろ「ハレ」になり、「せっかく外に出るのだからあれもやろう、これもやろう」と、ハレとケが逆転したのを感じます。

画像: 日立製作所 研究開発グループ 価値創出プロジェクト 高田芽衣

日立製作所 研究開発グループ 価値創出プロジェクト 高田芽衣

また、在宅勤務になって感じるのは、家の中と外との境界線が混じってきたことです。最近、カフェとコインランドリーが併設されているケースがあります。子どもたちが遊んでいる横で、お母さんたちがアイロンがけをしている。外にいても、家の中にいるように過ごせるしかけが面白いと思いました。

岡田さん:
以前、バンライフ(※)による旅行企画で「自動車の中を部屋のように改装したい」という相談をいただいたことがありました。そのときに、アウトドア家具ではなく、普段家の中で使うような家具を自動車に搭載し、部屋が移動するような感覚で旅行できるインテリアのしつらえを提案したところ、とても好評でした。

※「バン(VAN)」と「ライフ(LIFE)」を掛け合わせた造語。荷台スペースが広いバンの内部を家やオフィスのように改装し、生活や仕事、アウトドア活動の拠点とするライフスタイル。

画像: アクタスがインテリアの提案を行った、バンの内装

アクタスがインテリアの提案を行った、バンの内装

コロナ禍で、宿泊施設に知らない人たちと一緒にいることに抵抗がある。でも、旅はしたい。なおかつプライベート感も欲しい。そんな声に応えられるバンライフの需要が増えていることそのものが、まさに家の外と中との境目があいまいになってきたことを示していると思います。

暮らしとシゴトのちょうどよい関係を築くために。

助口:
では最後に、「暮らしとシゴトのちょうどよい関係」について、みなさんのお考えをお聞かせください。

關:
自分が落ち着けるもの、好きなものに囲まれて働くことができれば、より作業がはかどるでしょうし、前向きな気持ちで仕事に取り組めると思います。使う人がほっとしたり、ほんのちょっぴりときめいたりするようなデザインとは何か。そんな視点がこれからは欠かせません。

佐藤:
家事や仕事がモザイク状に交錯することでストレスがかかる在宅勤務だからこそ、無理のない形で生活環境を整えていくことが重要です。例えば、一日の締めくくりとして掃除をすることで、“生活の句読点”を整える。生活をより良くするために、そんな発想も大切になると思います。

高田:
まちづくりの視点から言うと、人と地域とのつながりをもっと増やせるしくみが必要です。例えば、街のいたるところにポップアップショップ(※)を手軽に出店できるようなしくみをはじめとした、働き方や暮らしを変えるきっかけづくりが求められてくるのではないでしょうか。

※ 短期間のみ出店する、期間限定の臨時店舗。

日野水:
在宅勤務でプライベートと仕事の境界が曖昧になることで、だれもが働きやすい環境やイレギュラーを受け入れるマインドセットが育ちつつあると感じます。一方で、香りや自然環境といったリアルなものに触れる体験も求められていることを、みなさんとのお話から実感しました。人々がもっと家の外に出て行きたくなるような、リアルな体験を楽しめるようなまちづくりを考えていきたいと思います。

徳増さん:
コロナ禍に見舞われながらも、家族の時間が増え、豊かな生活ができるようになった。この“良い変化”を忘れることなく、そのまま継続していきたいです。例えば、観葉植物が家の中にあると、本物を感じることができる。この感覚を一度体験すると、例えばおいしい料理をまた食べたくなるように、もう一度体験したいという気持ちが起きるはず。そう信じて、引き続きライフスタイルを提案していきたいです。

野口さん:
新たなデザインが生まれるには、経済や歴史、風土、文化などいろいろな理由があると思います。特殊な時代に生まれたデザインというものは、きっと10年後思い返してみても面白いはず。コロナ禍で生まれてきたデザインや習慣には、衣・食・住・働をまたげるような、だれしもが愛着を持てる発見が必ずあるはずです。消費者のみなさんにとってはとても面白い時代だと思います。

岡田さん:
在宅勤務が定番になったことがきっかけで、家の中のことにみなさんの関心が向いてきたことがとてもうれしいです。やっとそこに気づいてくれたか、と。わたしは家の中を飾ったりディスプレイしたりすることで、インテリアに遊び心を持っていただける提案をしています。インテリアの楽しさをたくさんの人にお伝えすることが、暮らしとシゴトのちょうどよい関係づくりにつながるのではと思います。

助口:
インテリア、家電、まちづくりの視点から、おうち時間とワークスタイル、ウェルネスについて有意義なディスカッションができました。貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。

画像: 協創の森ウェビナー:第7回 座談会「暮らしとシゴトのちょうど良い関係」- 日立 www.youtube.com

協創の森ウェビナー:第7回 座談会「暮らしとシゴトのちょうど良い関係」- 日立

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画像1: アクタスと日立が語り合う、​​ライフスタイルと価値観の変化│協創の森ウェビナー第7回 「アフターパンデミックの職住ライフスタイル」プログラム2「暮らしとシゴトのちょうど良い関係」

岡田 夕起
株式会社アクタス COV/VMDチーム
ビジュアルマーチャンダイザ―(VMD)

店舗プランやディスプレイを中心としたインテリアスタイリング業務を担当。また、モデルルームやデザインオフィス、雑誌撮影のスタイリングなども手掛けるほか、企業コラボレーション案件のデザイン監修などにも携わる。

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野口 礼
株式会社アクタス MD本部マーチャンダイジング部
家具開発責任者兼ヨーロッパデザインバイヤー

アクタス展開の家具商品開発全体のディレクションと、ヨーロッパ全域の家具・照明デザインのセレクト、ブランドビジネス構築、およびヨーロッパデザイナーとの商品開発を担当。
商品開発の傍らで、プロ向け、エンドユーザー向けの各種インテリアのセミナーを行い全国各地で良いデザインとの出会い方を伝播して回る。

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徳増和司
株式会社アクタスMD本部マーチャンダイジング部
雑貨・グリーン・アパレル開発責任者

ライフスタイルブランド「スローハウス」、インテリアグリーンのブランド「ノードリーム」、アパレルブランド「eauk」の商品開発・ディレクションを担当。
3年後の当たり前、少し先の豊かなライフスタイルを提案するために、インテリアだけでなく、さまざまなカテゴリーの商品・ブランド開発を日々続けています。

画像4: アクタスと日立が語り合う、​​ライフスタイルと価値観の変化│協創の森ウェビナー第7回 「アフターパンデミックの職住ライフスタイル」プログラム2「暮らしとシゴトのちょうど良い関係」

佐藤知彦
日立製作所 研究開発グループ 東京社会イノベーション協創センタ
プロダクトデザイン部 主任デザイナー(Design Lead)

ロンドンで家具・インテリアのデザイン開発に従事したのち2015年に日立製作所に入社。
現在は冷蔵庫の開発を中心に家電のデザイン開発を担当。

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關舞
日立製作所 研究開発グループ 東京社会イノベーション協創センタ
プロダクトデザイン部 企画員(Associate Designer)

2010年日立製作所入社。掃除機・空気清浄機を中心に家電のデザイン開発を担当。

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高田芽衣
日立製作所 研究開発グループ 東京社会イノベーション協創センタ
価値創出プロジェクト 主任研究員(Chief Researcher)

1997年(株)日立製作所入社、中央研究所で無線通信システムの研究を経て、2016年より東京社会イノベーション協創センタに所属。2019年東京農工大学工学府博士後期電子情報工学専攻修了、博士(工学)。現在、働き方改革・オフィス関連のソリューション検討、スマートシティ分野の顧客協創活動に従事。

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日野水聡子
日立製作所 研究開発グループ 東京社会イノベーション協創センタ
価値創出プロジェクト 主任デザイナー(Design Lead)

日本、デンマークでグラフィックデザイナーとして勤務ののち、文化庁新進芸術家海外研修員としてAalto大学 Department of New Media修了。フィンランドでUXデザイナーとして勤務後、日立製作所入社。現在、ヘルスケア、パブリックセーフティ、スマートシティ分野でのサービス創出を目的とした国内外の顧客協創活動を推進。

画像8: アクタスと日立が語り合う、​​ライフスタイルと価値観の変化│協創の森ウェビナー第7回 「アフターパンデミックの職住ライフスタイル」プログラム2「暮らしとシゴトのちょうど良い関係」

助口聡
日立製作所 研究開発グループ 東京社会イノベーション協創センタ
プロダクトデザイン部 リーダ主任デザイナー (Unit Manager)

ライフソリューション分野で、製品デザイン全般をとりまとめるプロダクトデザイナー。
2018年までは英国に駐在し、高速鉄道車両のコンセプトデザイン開発にも従事。

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