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日立製作所研究開発グループが実施するオンラインイベントシリーズ「協創の森ウェビナー」。「アフターパンデミックの職住ライフスタイル」をテーマにした今回、プログラム2では「暮らしとシゴトのちょうど良い関係」をテーマに座談会形式で語り合いました。株式会社アクタスからの参加者は、ビジュアルマーチャンダイザー 岡田夕起氏、ヨーロッパ家具バイヤー 野口礼氏、雑貨グリーンバイヤー 徳増和司氏。日立からは、東京社会イノベ―ション協創センタ プロダクトデザイン部の助口聡、佐藤知彦、關舞、価値創出プロジェクトの高田芽衣、日野水聡子が参加しました。
その後プログラム3では、ウェビナーの視聴者にライブアンケートに投票してもらい、リアルタイムで投票結果を見ながら、東京社会イノベ―ション協創センタ プロダクトデザイン部の助口聡、武藤圭史、 主管デザイン長(Head of Design) 丸山幸伸の3人で考察を深めました。

プログラム1
プログラム2「暮らしとシゴトのちょうど良い関係」

画像: 第7回協創の森ウェビナープログラム2 youtu.be

第7回協創の森ウェビナープログラム2

youtu.be

家電、ウェルネス、地域コミュニティ。アクタスと日立が捉えた変化

プログラム2では「暮らしとシゴトのちょうど良い関係」をテーマに、暮らしに溶け込むデザインのプロフェッショナルである株式会社アクタスの方々と、日立の研究開発グループ 東京社会イノベーション協創センタのメンバーで、家電からウェルネス、地域コミュニティ向けソリューションまで、幅広いレンジで価値観変化とライフスタイルの変化を議論しました。

画像: 座談会では、それぞれの自宅での工夫や課題なども交えながら率直な意見が交わされた

座談会では、それぞれの自宅での工夫や課題なども交えながら率直な意見が交わされた

最初のトピックは「お家時間」。お家時間が増えたことでどんなニーズが生まれ、どんな価値観変化が生まれたのか、アクタスと日立の人気商品を元に語りあいました。

2つ目のトピックは「ワークスタイル」。家で仕事をすることによるマインドセットの変化にも話はおよび、日立からは「衣食住」+「働」という4つの視点、そして「Work & Life Mosaic (ワーク・ライフモザイク)」という新たな言葉も飛び出しました。

続いてのトピックは「ウェルネス・お出かけ」。お家時間の充実の裏側にある健康面の課題や、「自然のものに触れたい」という本能的な欲求から来た意外な商品の需要についても語られました。

注 Work & Life Mosaic…1日の中で複数の職と家事がモザイク状に交錯する生活スタイル。詳しくは日立評論「ビジョン駆動型ソリューション開発戦略」を参照。

※このプログラムは、下記「Executive Foresight Online」からテキストでもお読みいただけます。

変わったのは「働」と「住」。視聴者投票で知る「お家時間」のいま

続くプログラム3は、ウェビナーの視聴者にライブアンケートに投票してもらい、投票結果を見ながら、助口、武藤、丸山の3人で考察を深めました。

丸山
ここからは、新しい試みとしてライブアンケートを用いてご視聴のみなさまのご意見をリアルタイムにいただきながら、私たちなりのアフターパンデミックの暮らし方を一緒に考えていきたいと思います。

画像: 協創の森ウェビナー初の試みとして、リアルタイムの投票形式で進められた

協創の森ウェビナー初の試みとして、リアルタイムの投票形式で進められた

丸山
参加者のみなさんに投票いただき、リアルタイムでグラフが伸びていく様が見える形にてお送りします。

では、質問に移りましょう。
「あなたの『お家時間』、どこが一番変わりましたか?」。プログラム2でも出てきた「衣」「食」「住」「働」「健康管理」から、ご自身で一番変わったと思うものを選んでください。武藤さんはいかがでしたか?

質問:あなたの『お家時間』、どこが一番変わりましたか?

「衣」―――10%

「食」―――14%

「住」―――21%

「働」―――43%

「健康管理」―――13%

武藤
「働」を選びました。コロナ禍になり、最初は「家で仕事ができるのかな」という戸惑いもありましたが、在宅ワークはひとつのスタイルとして定着しつつあります。

助口
ぼくは「住」が変わりました。家族も在宅となるとあまりにも手狭で居心地が悪くなり、少し広いところに転居しました。

画像: 時には家庭内がぎくしゃくしてしまうこともあった、と在宅時の様子を語る助口

時には家庭内がぎくしゃくしてしまうこともあった、と在宅時の様子を語る助口

丸山
「住」と「働」が重なる中で、会社と家庭での立場の切り替えの苦労もありそうです。お子さんも、「毎日お父さんがいるのに遊んでくれない」と思っているかもしれないですね。

助口:
我が家は実は逆なんです。以前は「今日はお父さん平日なのに早く帰ってきた」と盛り上がっていたのに、いまは「今日もいるの?」「会社行った方がいいんじゃないの?」と、追い出されちゃう(笑)。
  

出勤用のジャケットを羽織るパリッとした感覚が新鮮

丸山
さて次です。「あなたに起こった暮らしの変化はどれですか」。

質問:あなたに起こった暮らしの変化はどれですか?

「休日よりも、たまに出社する日がハレになった」―――31%

「ワーク・ライフモザイク」――― 51%

「都市生活に必要なのはセレンディピティ」―――18%

助口
「たまに出社する日がハレの日」というのはよく分かります。オフィスでたまに会った人が、こんなに話す人だったのかと思うくらいによくしゃべるんですよね。

武藤
在宅勤務中は、休み時間に掃除機をかけたりと、「ワーク・ライフ・モザイク」らしさが出てきました。一方、「たまに出社する日がハレ」という感覚もありますね。在宅ワークの楽な普段着から出勤用の服に着替えることで、パリッとした感覚になります。

画像: 以前は当たり前だった出勤用のジャケットが新鮮に感じられる、と武藤

以前は当たり前だった出勤用のジャケットが新鮮に感じられる、と武藤

丸山
Linking Societyで「WORKSIGHT」編集長の山下さんに、アフターコロナのオフィスでの働き方についてご示唆をいただいております。それと照らしてみても、「ワーク・ライフ・モザイク」の功罪がこの先見えてくるのではないかと思います。ハレである出社の日にオフィスで何を得られるといいのか、考えていきたいですね。

タイムマネジメントの仕方や価値観を変えていく必要も

質問:「あなたのワークとライフの境界に関して該当するものはどれですか(複数回答可)」。

「一日が連続勤務ではなく、公私が細かな時間単位で入れ替わるようになった」―――89%

「ボランティア、副業など仕事以外の所属でも活動(ワーク)するようになった」―――17%

「地域に仕事や休息ができる、会社と自宅以外のサードプレイスがもてた」―――16%

丸山
みなさんはいかがでしょうか。

「公私が細かな時間単位で入れ替わるようになった」が多いですね。ぼくはこれ、実は疑問なんです。一日に何本もWeb会議があって、時間いっぱいまでやっている。移動時間や隙間の休憩時間がなくなって結局連続勤務に戻っているような気がしますが、みなさんはどう思いますか?

画像: 「公私を細かく入れ替えることは本当に可能か」と問う丸山

「公私を細かく入れ替えることは本当に可能か」と問う丸山

助口
たしかにそうですね。ぼくも公私が細かく入れ替わる感覚はあまりありません。昼休みに子どもと料理をして、一緒に食べることはできますが。

武藤
私は、ベランダに出てちょっと一服する時、鉢植えに水をあげる、というような細かいことでプライベートと仕事との行き来が生じているように感じます。

丸山
公私を細かく入れ替えていくのは理想ですが、そのためにはタイムマネジメントの仕方や価値観を変えていく必要がありそうですね。

チャットにもたくさんコメントをいただいています。

「お家時間が増えたことで、部屋の乱雑さと直面する時間が増えたので、本当に苦痛です」。
「リモート会議が増えると、あまり家事やってないだろうなというのが透けて見える」。

正直なご意見ですね(笑)。

コロナ以前から在宅ワークを導入していた海外から学ぶ

「世界のライフスタイルはどうなっているのでしょうか」とのご質問も来ています。助口さんも武藤さんも海外居住経験がありますが、いかがでしょうか。

助口
コロナ禍の前にイギリスに赴任していましたが、その時既に在宅ワークが認められていました。家で用事がある時などに少しずつ試してみましたが、よかったです。こういう働き方が日本でもできたらいいなと思っていました。

武藤
悪天候の日には無理に出社せず、家で仕事をするのが一般的でした。パンデミックがきっかけになったというより、日常的に在宅ワークをする環境をもち、自分たちでコントロールしていた感じがありました。

画像: 視聴者からの質問に自らの海外経験をふまえて答える武藤、助口

視聴者からの質問に自らの海外経験をふまえて答える武藤、助口

丸山
さて、最後の質問です。
「今回のテーマをもっと深く語り合うような会に参加したいですか」。これはドキドキしますね。

武藤
「はい」という方がたくさんいらっしゃって本当にありがたいですね。もっとトピックを変えてやれたらいいですよね。

丸山
みなさま、本当にありがとうございました。今後、オンサイトの会も企画してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

プログラム2

画像1: アクタスと日立が語り合う、​​ライフスタイルと価値観の変化│協創の森ウェビナー第7回 「アフターパンデミックの職住ライフスタイル」プログラム2「暮らしとシゴトのちょうど良い関係」

岡田 夕起
株式会社アクタス COV/VMDチーム
ビジュアルマーチャンダイザ―(VMD)

店舗プランやディスプレイを中心としたインテリアスタイリング業務を担当。また、モデルルームやデザインオフィス、雑誌撮影のスタイリングなども手掛けるほか、企業コラボレーション案件のデザイン監修などにも携わる。

画像2: アクタスと日立が語り合う、​​ライフスタイルと価値観の変化│協創の森ウェビナー第7回 「アフターパンデミックの職住ライフスタイル」プログラム2「暮らしとシゴトのちょうど良い関係」

野口 礼
株式会社アクタス MD本部マーチャンダイジング部
家具開発責任者兼ヨーロッパデザインバイヤー

アクタス展開の家具商品開発全体のディレクションと、ヨーロッパ全域の家具・照明デザインのセレクト、ブランドビジネス構築、およびヨーロッパデザイナーとの商品開発を担当。
商品開発の傍らで、プロ向け、エンドユーザー向けの各種インテリアのセミナーを行い全国各地で良いデザインとの出会い方を伝播して回る。

画像3: アクタスと日立が語り合う、​​ライフスタイルと価値観の変化│協創の森ウェビナー第7回 「アフターパンデミックの職住ライフスタイル」プログラム2「暮らしとシゴトのちょうど良い関係」

徳増和司
株式会社アクタスMD本部マーチャンダイジング部
雑貨・グリーン・アパレル開発責任者

ライフスタイルブランド「スローハウス」、インテリアグリーンのブランド「ノードリーム」、アパレルブランド「eauk」の商品開発・ディレクションを担当。
3年後の当たり前、少し先の豊かなライフスタイルを提案するために、インテリアだけでなく、さまざまなカテゴリーの商品・ブランド開発を日々続けています。

画像4: アクタスと日立が語り合う、​​ライフスタイルと価値観の変化│協創の森ウェビナー第7回 「アフターパンデミックの職住ライフスタイル」プログラム2「暮らしとシゴトのちょうど良い関係」

佐藤知彦
日立製作所 研究開発グループ 東京社会イノベーション協創センタ
プロダクトデザイン部 主任デザイナー(Design Lead)

ロンドンで家具・インテリアのデザイン開発に従事したのち2015年に日立製作所に入社。
現在は冷蔵庫の開発を中心に家電のデザイン開発を担当。

画像5: アクタスと日立が語り合う、​​ライフスタイルと価値観の変化│協創の森ウェビナー第7回 「アフターパンデミックの職住ライフスタイル」プログラム2「暮らしとシゴトのちょうど良い関係」

關舞
日立製作所 研究開発グループ 東京社会イノベーション協創センタ
プロダクトデザイン部 企画員(Associate Designer)

2010年日立製作所入社。掃除機・空気清浄機を中心に家電のデザイン開発を担当。

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高田芽衣
日立製作所 研究開発グループ 東京社会イノベーション協創センタ
価値創出プロジェクト 主任研究員(Chief Researcher)

1997年(株)日立製作所入社、中央研究所で無線通信システムの研究を経て、2016年より東京社会イノベーション協創センタに所属。2019年東京農工大学工学府博士後期電子情報工学専攻修了、博士(工学)。現在、働き方改革・オフィス関連のソリューション検討、スマートシティ分野の顧客協創活動に従事。

画像7: アクタスと日立が語り合う、​​ライフスタイルと価値観の変化│協創の森ウェビナー第7回 「アフターパンデミックの職住ライフスタイル」プログラム2「暮らしとシゴトのちょうど良い関係」

日野水聡子
日立製作所 研究開発グループ 東京社会イノベーション協創センタ
価値創出プロジェクト 主任デザイナー(Design Lead)

日本、デンマークでグラフィックデザイナーとして勤務ののち、文化庁新進芸術家海外研修員としてAalto大学 Department of New Media修了。フィンランドでUXデザイナーとして勤務後、日立製作所入社。現在、ヘルスケア、パブリックセーフティ、スマートシティ分野でのサービス創出を目的とした国内外の顧客協創活動を推進。

プログラム3

画像8: アクタスと日立が語り合う、​​ライフスタイルと価値観の変化│協創の森ウェビナー第7回 「アフターパンデミックの職住ライフスタイル」プログラム2「暮らしとシゴトのちょうど良い関係」

武藤圭史
日立製作所 研究開発グループ 東京社会イノベ―ション協創センタ
プロダクトデザイン部 部長(Department Manager)

1996年日立製作所入社、白物家電、AV機器、鉄道、金融システムなどのプロダクトデザイン、ユーザ・インタフェースデザイン、コーポレートブランディングを担当。2018年より現職にて、広く日立Grの製品・サービスのデザインを推進。

画像9: アクタスと日立が語り合う、​​ライフスタイルと価値観の変化│協創の森ウェビナー第7回 「アフターパンデミックの職住ライフスタイル」プログラム2「暮らしとシゴトのちょうど良い関係」

助口聡
日立製作所 研究開発グループ 東京社会イノベーション協創センタ
プロダクトデザイン部 リーダ主任デザイナー (Unit Manager)

ライフソリューション分野で、製品デザイン全般をとりまとめるプロダクトデザイナー。
2018年までは英国に駐在し、高速鉄道車両のコンセプトデザイン開発にも従事。

画像10: アクタスと日立が語り合う、​​ライフスタイルと価値観の変化│協創の森ウェビナー第7回 「アフターパンデミックの職住ライフスタイル」プログラム2「暮らしとシゴトのちょうど良い関係」

丸山 幸伸(ナビゲーター)
研究開発グループ 社会イノベーション協創統括本部 東京社会イノベーション協創センタ 主管デザイン長(Head of Design)

日立製作所に入社後、プロダクトデザインを担当。2001年に日立ヒューマンインタラクションラボ(HHIL)、2010年にビジョンデザイン研究の分野を立ち上げ、2016年に英国オフィス Experience Design Lab.ラボ長。帰国後はロボット・AI、デジタルシティのサービスデザインを経て、日立グローバルライフソリューションズに出向しビジョン駆動型商品開発戦略の導入をリード。デザイン方法論開発、人財教育にも従事。2020年より現職。

プログラム1
プログラム2「暮らしとシゴトのちょうど良い関係」

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