松平 風香
研究開発グループ デジタルサービス研究統括本部
デザインセンタ UXデザイン部
企画員(Associate Designer)
2018年入社。医療用製品のハードウェアデザインを担当したのち、現在はUIデザインをメインに業務。
興味を持つと、つい一つのことに没頭してしまう性格だという松平さん。ステイホーム期間にハマったオンラインゲームの魅力について、熱く語ってくれました。
ステイホームをきっかけにゲーム機を買って、オンラインゲームにハマっています。これまで自分でゲームを買ってやり込んだことはなかったのですが、自分専用のおもちゃを手に入れて童心に返ったように嬉しかったのと、もともと熱中しやすい性格なのもあって、完全にどハマりしました。
今ハマっているイカのキャラクターを操作するゲームは、まずグラフィックがカラフルで、とても可愛いんです。ぶ厚いアートブックが2、3冊出ていて、それを見て絵を描き始めるくらい刺激をもらっています。TPS(Third Person Shooter)という第三者視点のシューティングゲームなのですが、敵を倒すことだけでなく他にも勝利条件があって、グロテスクな要素もないので毎日やり続けられるんですよね。
あと、このゲームのユーザーたちはSNSなどを通して仕様変更を希望したり、具体的な修正案を提案したりするんです。私が仕事で扱っているプロダクトは専門性の高い現場で使うものなので、あまり人の目には触れませんが、エンターテインメント業界はユーザーとデザインの距離がすごく近い。性質が対極にあって面白いと感じますね。
もちろん、ユーザーの要望に応えてアップデートされていく部分もあれば、どんなに要望があろうと変わらないところもある。やはりゲーム性の根幹をなす部分にはプロが考える領域がしっかりあるんだろうなと想像しながら、ゲームを楽しんでいます。
動画投稿サイトでプレイ中のゲーム画面を配信するゲーム実況動画で、松平さんが目撃した配信者とユーザーの新しい繋がりとは?
自分のプレイを上達させるためによく観ているゲーム実況動画では、生配信中にユーザーが配信者にお金を贈る「投げ銭」というシステムがあります。観察していると、毎回多くの人が投げ銭をしているんです。私自身はまだ未経験なのですが、投げ銭をしたくなるのはどういう心理なのだろうと気になって調べたところ、「自分よりも他人のためにお金を使うほうが幸福度が増す」という研究結果があるそうです。つまり人間は、自己完結するよりも人と繋がることで幸せを感じるわけです。投げ銭が多いと配信が盛り上がったという一つの指標になりますし、投げ銭をした時に配信者が「○○さん、ありがとうございます」といった言葉を返してくれるので、手軽に自己肯定感と一体感を得られる方法なのだと思います。
こういった行為って、アイドルのCDを買って握手会に行ったりする目的とも近いですが、実際に現場に行かなくてもすぐにリアクションをもらえるという即時性も大きいのかもしれません。
ゲームにしても投げ銭にしてもそうですが、知らない文化を理解して受け入れていく姿勢で日々楽しんでいきたいと思っています。
編集後記
一つのことに夢中になってしまうがゆえに、宅配サービスの隔週アンインストールが必要とのことですが、同時にゲームなどには深い探究心を持って向き合える。何事にもしっかり没頭できることは才能だと思います。
コメントピックアップ
私も当該ゲームのアートブックを見てみたら、想像していたよりも細部まで作り込まれていて驚き!たしかにデザイナー心をくすぐられる作品ですね。
投げ銭ができるプラットフォームを覗いたことがないので、私もまだ未体験ですが、投げ銭をしてしまう気持ちはすごくわかる気がします……。推しに反応してもらえるなら、安易に投げ銭ヤーになってしまいそうです。
いちユーザーとしてエンタメに熱中しつつも、デザイナーとして距離を置きユーザー分析をする冷静な面も持ち合わせている……そんな松平さんのデザイナーとしての性が垣間見えるラジオでした。