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日立製作所研究開発グループが実施するオンラインイベントシリーズ「協創の森ウェビナー」。「将来の社会を支える、モビリティの新たな役割」がテーマの第13回プログラム1は、日産自動車株式会社 常務執行役員 総合研究所所長の土井三浩さんと、日立製作所 研究開発グループ 社会イノベーション協創センタ長 の谷崎正明による対談です。ナビゲーターは、社会イノベーション協創センタ 主管デザイン長の丸山幸伸が務めます。モビリティや移動を取り巻く社会の変化と、それにともなう地域社会の期待や価値観の変化にはどう応えていくべきか。モビリティの新たな役割について、議論します。

プログラム1「変化するモビリティの役割を捉える」
プログラム2「社会システムとしてのモビリティ」
プログラム3「将来に向けたモビリティの役割の探索」

画像: 協創の森ウェビナー:第13回 対談「変化するモビリティの役割を捉える」- 日立 youtu.be

協創の森ウェビナー:第13回 対談「変化するモビリティの役割を捉える」- 日立

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※以下は、上に掲載しております動画のサマリー記事となっております。動画の内容詳細については下記「Executive Foresight Online」からテキストでお読みいただけます。

環境変化により問われ始めた「自由に移動する権利」

画像: 左から、ナビゲーターの丸山幸伸、日産自動車常務執行役員 土井三浩さん、日立製作所 社会イノベーション協創センタ長 谷崎正明

左から、ナビゲーターの丸山幸伸、日産自動車常務執行役員 土井三浩さん、日立製作所 社会イノベーション協創センタ長 谷崎正明

モビリティの変化は社会の変化と表裏一体であるとした上で、昨今のモビリティの課題は、都市化と過疎化、高齢化、そして環境負荷低減の3点にある、と語った日産自動車常務執行役員の土井さん。「そうした社会の変化によって、未来洞察から導いたThe Right to Mobilityというきざし、つまり自由意志で動く資格や能力が損なわれ始めているのではないか」という丸山からの問いかけに対しては、都市部よりも地方における自由な移動の権利の確保について優先的に考える必要があると答えました。

画像: 自由な移動をどう支えるかが課題となっているいま、移動のありようも変わりつつある、と語る土井さん

自由な移動をどう支えるかが課題となっているいま、移動のありようも変わりつつある、と語る土井さん

画像: 移動の意義がかつての「楽しみ」から「生活を守るためのインフラ」へと移行しつつあると語る谷崎

移動の意義がかつての「楽しみ」から「生活を守るためのインフラ」へと移行しつつあると語る谷崎

移動を「目的」からデザインする

土井さんの所属する日産自動車では現在、福島県浪江町でオンデマンドの乗合タクシーサービスの実証実験を行なっています。震災で一度は移動手段が失われた場所に新たな移動サービスを提供していく中で、改めて「何のために移動するのか」という移動目的の重要性が明確になりました。その結果、「移動の目的も含めた、まちづくりの領域まで踏み込んでいかないと、住んでいる方々のクオリティ・オブ・ライフが上がっていかないということを感じました」と語りました。

画像: 移動手段を提供すればするほど、何のために移動するのか?という目的をデザインする必要を強く感じるようになっていった、と語る土井さん

移動手段を提供すればするほど、何のために移動するのか?という目的をデザインする必要を強く感じるようになっていった、と語る土井さん

一方谷崎からは、行政の関わるモビリティの事例として、東京都国分寺市と日立が共同で実施した、電気自動車の電源を災害時の動力として活用する防災訓練を紹介しました。訓練を通して、実際の災害時にどのような連携体制で運用するか、という課題に加えて、災害時に電気自動車のような私財を拠出して助け合う意識を日頃から醸成しておくことの重要性も見えてきました。

まちづくりのヒントは歴史にある

画像: まちづくりにあたり参照できるものは?と問われ、歴史が大事だと語る土井さん

まちづくりにあたり参照できるものは?と問われ、歴史が大事だと語る土井さん

現在、自動車での移動を考える場合、まちづくりにまでそのデザイン領域が拡がりつつあります。まちづくりに関わる上で、参考になるものとは何なのでしょうか。実際に現地を訪れて海外のまちづくりの事例を調査した土井さんは、その町の歴史や生い立ちが非常に重要である、と指摘します。その上で「都会はモノを消費する場所で、消費されるモノの生産は地方で行われている。だから本来は、都会と地方の両方がないと成り立たない。ところが人が多いのは都会なので、都会だけが進化して地方が取り残されてしまう」と現状の課題に触れ、「だからこそ、きちんとその地方に合った移動をデザインしていくことが私の関心事です。」と自らの思いを語り、プログラム1を締めくくりました。

プログラム2では、日産自動車株式会社 総合研究所 研究企画部 部長 山村智弘さんと、社会イノベーション協創センタ リーダ主任研究員 森木俊臣による「社会システムとしてのモビリティ」をテーマにしたピッチセッションをお送りします。

画像1: モビリティを取り巻く社会の変化|協創の森ウェビナー第13回 「将来の社会を支える、モビリティの新たな役割」プログラム1「変化するモビリティの役割を捉える」

土井 三浩
日産自動車株式会社 常務執行役員 総合研究所 所長

1985年、日産自動車株式会社入社。ペンシルバニア州立大学客員研究員、日産自動車総合研究所車両交通研究所主任研究員を経て、2005年、日産自動車技術企画部部長に就任。その後、商品企画室セグメント・チーフ・プロダクトスペシャリストやルノー社出向管理職などを経験し、2014年より現職。2020年より、常務執行役員とアライアンスグローバルVPを兼務している。

画像2: モビリティを取り巻く社会の変化|協創の森ウェビナー第13回 「将来の社会を支える、モビリティの新たな役割」プログラム1「変化するモビリティの役割を捉える」

谷崎 正明
日立製作所 研究開発グループ デジタルサービス研究統括本部 社会イノベーション協創センタ センタ長

1995年に日立製作所に入社後、中央研究所にて地図情報処理技術の研究開発に従事。2006年よりイリノイ大学シカゴ校にて客員研究員。2015年より東京社会イノベーション協創センタ サービスデザイン研究部部長として顧客協創方法論をとりまとめる。2017年より社会イノベーション事業推進本部にてSociety5.0推進および新事業企画に従事したのち、研究開発グループ 中央研究所 企画室室長を経て、2021年4月より現職。

画像3: モビリティを取り巻く社会の変化|協創の森ウェビナー第13回 「将来の社会を支える、モビリティの新たな役割」プログラム1「変化するモビリティの役割を捉える」

丸山 幸伸
日立製作所 研究開発グループ デジタルサービス研究統括本部 社会イノベーション協創センタ 主管デザイン長(Head of Design)

日立製作所に入社後、プロダクトデザインを担当。2001年に日立ヒューマンインタラクションラボ(HHIL)、2010年にビジョンデザイン研究の分野を立ち上げ、2016年に英国オフィス Experience Design Lab.ラボ長。帰国後はロボット・AI、デジタルシティのサービスデザインを経て、日立グローバルライフソリューションズ㈱に出向しビジョン駆動型商品開発戦略の導入をリード。デザイン方法論開発、人財教育にも従事。2020年より現職。立教大学大学院ビジネスデザイン研究科客員教授。

プログラム1「変化するモビリティの役割を捉える」
プログラム2「社会システムとしてのモビリティ」
プログラム3「将来に向けたモビリティの役割の探索」

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