プログラム1「社会イノベーションとコミュニティとの関わり方」
プログラム2「コミュニティ創生のためのデザイン」
プログラム3 「企業の立場でリアルなコミュニティに関わり始めて思うこと」
※以下は、上に掲載しております動画のサマリー記事となっております。動画の内容詳細については「Executive Foresight Online」からテキストでお読みいただけます。
共通の目的を中心に置く
話題はまず、神奈川県三浦半島でのFuture Living Labの実践から。
「農家さんを訪ね、自分たちが挑戦しているビジョンデザインの活動をお話したり、農家さんの農業や地域に寄せる思いを伺うところから活動が始まった。わたしたちにとって、地域のみなさんと互いの目的をすり合わせていく過程は、不慣れで難しく、多くの学びがあった」と当時を振り返る金田。
吉備さんからは、「パーパスモデルは、真ん中に共通の目的を置き、その周りに活動に関わる方たちを配置することで、活動にかける想いを相互理解できる仕組み。プロジェクトの設計図的な側面と、メンバー間のコミュニケーションツールの側面がある。」と、パーパスモデルについてご紹介いただきました。
全体を俯瞰する役割
続いての話題は地域に対する企業のコミュニケーションについて。
「国内外の協創の好事例を見ると、1企業がプロジェクトをリードするものは意外と多くない。うまくいっている事例は、パーパスを共にした複数の人や組織が共に推進するプロジェクトが多い。地域における企業の役割は、プロジェクトを通じて、普段意識しづらい課題を共に考え、俯瞰的なビジョンを示していくことではないか」と吉備さんからの問題提起がありました。
それに対し、金田は「今回の活動を通じて、日立のような企業の役割は、地域を俯瞰的に見て、新たな視点を渡すことかもしれないと気づけた。地域の皆さんとの対話を通し、地域のよそ者である企業として、課題解決を促進する要因になれる可能性を感じた」と活動を振り返りました。
課題を複眼で捉える
さらに、企業のマインドセットについても話題が広がりました。
「企業が個人に話をする場合、課題を自分たちのものとして捉えてもらえるような働きかけや、プロジェクトの関係者同士が体験を共有することが必要。三浦地域の取り組みのように、一緒に農作業をすることもその一つ。体験を共有することで、共通の目的についてもより深く語っていけるようになるはず」と吉備さん。
金田は「企業がいくら仕組みやサービスを考えても、地域の皆さんが自分ごととして、どのように関わるのかを想像できなければ実現は難しい。企業は、目の前の地域の課題とこれからの地域の変化の両方を行き来できる複眼を持つことが重要」と語りました。
※このプログラムの詳細は、下記「Executive Foresight Online」からお読みいただけます。
吉備友理恵(きび ゆりえ)
株式会社日建設計 イノベーションセンター プロジェクトデザイナー
1993年生まれ。神戸大学工学部建築学科卒業。東京大学大学院新領域創成科学研究科社会文化環境学専攻修士課程修了。株式会社日建設計 NAD室(Nikken Activity Design Lab)に入社し、一般社団法人Future Center Alliance Japan(FCAJ)への出向を経て現職。都共創を概念ではなく、誰もが取り組めるものにするために「パーパスモデル」を考案。2022年、共著『パーパスモデル 人を巻き込む共創のつくりかた』(学芸出版社)を上梓。
金田麻衣子
研究開発グループ デジタルサービス研究統括本部
社会イノベーション協創センタ 主任デザイナー
2004年日立製作所入社後、医療製品や金融製品のUI・UXデザインを担当ののち、顧客協創における方法論研究や新事業創生プロジェクトに従事。2019年より、現在のサービス&ビジョンデザイン部に在籍、未来洞察ワークショップによる協創活動や、将来の地域について、地域の場で生活者と共に活動・模索するフューチャー・リビング・ラボを推進。
高田将吾(動画内ナビゲーター)
研究開発グループ デジタルサービス研究統括本部
社会イノベーション協創センタ
サービス&ビジョンデザイン部 デザイナー(Associate Designer)
日立製作所に入社後、都市・交通領域におけるパートナー企業との協創をサービスデザイナーとして推進。
プログラム1「社会イノベーションとコミュニティとの関わり方」
プログラム2「コミュニティ創生のためのデザイン」
プログラム3 「企業の立場でリアルなコミュニティに関わり始めて思うこと」